絶品日記

正しいカレーみたいなブログ

2018年10月4日 親しみやすい人、そうでない人

 ハンドクリームを買いにドラッグストアに行ったらまだハンドクリームの売り場は遠いのに販売員のお姉さんに捕まった。
「ハンドクリームを試してみませんか」
 どうしてハンドクリームを買いに来たことを知っているんだ。あるいはそんなに酷い手だったか。
 化粧品セールスの人にとって私はよほど捕まえやすい人間なんだろうか。話しかけやすいって良いことだよね。たぶん良いことだと思う。きっと親しみやすいってことだと思う。

 商品説明をしながらちょっとお値段の張るハンドクリームを私の左手に塗るお姉さん。それからこちらもおすすめですと右手にも塗る。両手ともサンプルを塗られてしまったのでもう他の商品を試すこともできない。これがプロフェッショナルの手腕なんだな。まあ買うものは決まってるけど。

 商品説明をしながらお姉さんは隙あらば
「お客様は手が綺麗ですから」
という言葉を挟む。確か5回くらい言われた。
 さすがに騙されないぞ。私はあまりにも血色が悪くて乾燥した手を病気か何かと勘違いした中学のクラスメイトに「かわいそう」とまで言われたんだ。でも悲しそうな顔で「かわいそう」と言いながら私の手を両手で包んでくれたときは正直ドキドキしてしまったから、そう悪い思い出でもない。

 私はお店で店員さんに話しかけられることにはあまり抵抗がないほうだけど、この時ばかりはさすがに解放されたい気持ちでいっぱいだった。風邪も治りきっていないのでとにかく早く休みたかった。
 結局、5分もあれば帰れるはずの買い物に30分もかかってしまった。ぶり返した風邪で咳き込みながら、どうせ遭遇するなら結城リトさんみたいな災難が良かった、結城リトさんになりたい、とそればかりを考えていた。
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※画像はイメージです。